ウクライナ情勢ライブ:オルバン首相の石油を盾にした駆け引きでEUの対ウクライナ支援が頓挫、和平交渉も暗礁に
こんな駆け引きはご免こうむりたいところだ。世界中の関心が中東の緊迫化に集中する中、ウクライナ戦線もまた、決して終息に向かっているわけではない。それどころか、欧州の玄関先で続く戦争は、外交的倦怠感と露骨な政治的脅迫が入り混じる新たな重大局面を迎えていることを、今日3月19日(木)に入った二つの重要な情報が我々に突きつけている。
オルバン氏の“人質作戦”:「石油がなければ金は出せない!」とEUを翻弄
キーウに対する欧州の結束は揺るがないとお考えなら、それは幻想だったと思い知らされるだろう。今朝のブリュッセルでは、EU首脳会議がにらみ合いの様相を呈している。そして近年常のこととなったが、火をつけたのはオルバン・ヴィクトル・ハンガリー首相だ。4月12日の議会選挙を控え、選挙戦の真っ只中にあるハンガリー首相は、強張った表情で、いつもの決まり文句を繰り返した:EUがウクライナ向けに予定する900億ユーロの融資実行を断固拒否すると。
その言い訳とは?パイプライン問題だ。ブダペストは、支援実行の条件として、攻撃で損傷した「ドルジバ・パイプライン」を通じたロシア産石油の輸送再開をウクライナに要求しているのだ。要するに、「我々が石油を受け取れて初めて、ウクライナを支援できる」と、驚く各国首脳を前に、オルバン首相は平然と宣言したわけだ。このあからさまな脅しに、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は「誠実さと信頼性の原則」こそがEU内で優先されるべきだと激怒している。
ハイリスクな虚々実々の駆け引き
周知の通り、ハンガリーはウクライナを選挙のサンドバッグに利用している。ゼレンスキー大統領を中傷するポスターが国内の至る所で見られるようになった。しかし、このパフォーマンスの背後では、2026年から2027年にかけてのウクライナの財政的存続が掛かっている。幸いなことに、欧州の外交官らは、現時点で合意が絶対に不可欠というわけではないと示唆する。キーウの資金は、ハンガリーの選挙直後である5月までは何とか持たせられる見通しだからだ。オルバン首相が再選(あるいは敗北)した後、拒否権をしまい込んでくれることを祈るばかりだ。それまでは、この駆け引きは続き、主要な進展は見込めないだろう。
和平への道のりに影を落とす“大きな不在”:イラン戦争が生んだ巻き添え
オルバン首相が財政支援を人質に取る一方で、さらに大きな地政学的な要因が外交プロセスを停滞させている。イラン情勢の緊迫化はお伝えしている通りだが、この問題がウクライナ紛争にも直接的な影響を及ぼしているのだ。米国、ロシア、ウクライナによる三者協議が、公式に「中断」状態にある。
クレムリンとウクライナ外務省が確認したこの情報は、単純明快だ:ワシントンは今、完全にテヘランに視線を奪われているのだ。実務者レベルの協議は日々続いているというが、首脳級の会合は再三延期されている。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は「三者協議は中断している」と明言した。その間、前線では戦闘が続いている。アメリカの情報機関は、トゥルシー・ギャバード氏の見解として、モスクワはウクライナの抵抗力を疲弊させるため、この消耗戦を長期化させるだろうと予測している。
本日3月19日の非情な状況をまとめると、物事を停滞させている要因は以下の通りだ:
- 財政面: ハンガリーがロシア産石油の供給再開を支援の条件とし、欧州を人質に取っている。
- 外交面: アメリカの交渉担当者が中東危機に忙殺され、和平協議が凍結状態にある。
- 軍事面: 両陣営がにらみ合う中、戦闘は続いており、ウクライナによるクラスノダール地方への無人機攻撃で民間人1人が死亡したことがこれを示している。
前線では止まぬ無人機攻撃
政治家が虚々実々の駆け引きを繰り広げる一方で、軍人たちは忌まわしい任務を続けている。ウクライナ側はここ数時間で強力な反転攻勢に出ており、ロシアの施設を標的とした無人機攻撃を行ったと発表した。ロシア筋によれば、モスクワ郊外では219機もの無人機が撃墜されたとされ、この大規模な攻撃は約4日間続いたという。さらに南部のクラスノダール地方では、ウクライナ軍の攻撃が住宅地を直撃し、民間人1人が死亡する痛ましい事態も発生した。これが、出口の見えない戦争の悲惨な日常だ。
では、今後はどうなるのか?現時点でのこの戦争の「ライブ」状況は、モザイク状の複雑な様相を呈している:オルバン首相の脅しに翻弄され結束が揺らぐ欧州、他の危機に気を取られる大国、そして閉ざされゆく外交的展望を見つめるウクライナ国民。確かなことは、紛争が新たな不確実性の段階に入ったということだけだ。引き続き、現場と権力の舞台裏に迫り、忖度なしでこの状況をお伝えしていく。