映画『バゴニア』レビュー:ヨルゴス・ランティモス監督最新作、知っておくべき全て - ダークコメディスリラーの全貌
不気味でありながら思わず笑ってしまう、そんな頭が混乱するような映画を求めているなら、ヨルゴス・ランティモス監督がその欲求を満たしてくれる。最新作『バゴニア』は10月に公開予定で、初期の噂によれば、これまた異色の傑作で、エンドロールが終わった後も長くその一瞬一瞬を分析したくなること間違いなしだ。『ロブスター』や『哀れなるものたち』を手がけた監督が、今回も不条理と不気味さを融合させ、さらにエイリアン陰謀論という要素を加えている。
喜劇の仮面をかぶったパラノイア・スリラー
一見すると『バゴニア』は風変わりなSF娯楽作のように見えるかもしれない。しかし、ランティモス作品に精通している人なら、そんなに単純なわけがないと分かっているだろう。物語は、深く欠陥があり、しばしば滑稽な登場人物たちの視点を通して明らかになるエイリアン陰謀論を中心に展開する。笑うべきか、それとも窓の外に小さな緑の宇宙人を探すべきか、最後まで分からないままの、そんな種類の映画だ。無表情な会話と、ランティモス監督お得意の気まずい沈黙に包まれながら、パラノイアが忍び寄ってくる。
しかし、本当に印象的なのは、地球外生命体を探すという現実世界の執着を、この映画がいかに巧みに扱っているかだ。そう、真剣に空を見上げて知的生命体の兆候を探している人たちのことだ。『バゴニア』はこう問いかけているように思える。もし真実が遥か彼方にあるのではなく、すぐそこに、ありふれた場所に隠れていて、しかも想像していたよりもはるかに世俗的で恐ろしいものだったら? これは見事な解釈の転換で、この作品を単なるジャンルの枠を超え、私たち自身のパラノイアに対する批評へと昇華させている。
あの椅子は単なる家具じゃない
私のようにデザインにこだわる人なら、セットの小道具にも注目してほしい。プロダクションデザインには、単にフレームを埋めるだけではない、存在感のある家具がふんだんに使われている。あの角張った前衛的な椅子は? あれは決して座り心地が良さそうに見えないが、それは登場人物たちが生きる世界も同様だ。スタイリッシュで無機質な室内は人々の間の感情的な距離を反映し、一方で奇妙に配置されたデザイナーズピースは不安感をかき立てる。まるで家具自体が彼らに敵対しているかのようだ。登場人物たちが周囲の環境とどう関わるかに注目してほしい。それがまるで第二の語りの層のようになっているからだ。
10月の見逃せない映画ラインナップ(でもやっぱり『バゴニア』が筆頭)
10月は映画ファンにとって注目作が目白押しだ。『バゴニア』以外にも、劇場を賑わす強力な作品がいくつかある:
- 『トロン:アレス』 – デジタルフロンティア・サーガ待望の第3章。眩いばかりの映像とシンセサイザーを多用したサウンドトラックで、グリッドの世界へ誘うこと間違いなし。
- 『蜘蛛女のキス』 – 愛されている舞台ミュージカルと小説の新たな映画化。感動的で視覚的に豊かな体験となるだろう。
- 『ルーフマン』 – ファストフード店を強盗し、おもちゃ屋に住み着いた男の奇妙な実話に基づく犯罪ドラマ。ダークなコメディの可能性を秘めている。
- 『スプリングスティーン:デリバー・ミー・フロム・ノーウェア』 – ブルース・スプリングスティーンのアルバム『ネブラスカ』制作過程に迫るドキュメンタリー。音楽ドキュメンタリーファン必見の一本だ。
でも、私に言わせれば、『バゴニア』こそが、数ヶ月にわたって人々の話題をさらう作品だろう。観るたびに新たな隠された意味を発見できる、何度も楽しめるタイプの映画だ。
総評:傑作の予感?
まだ公開前だが、全ての兆候は『バゴニア』が、ランティモス監督の既に多くの栄光に輝く経歴に、さらに一つ名作を加えるであろうことを示している。SFミステリー、ダークコメディ、そして忍び寄る恐怖感の融合は新鮮で、陰謀論に飢えた現代に完璧にマッチしている。風変わりなユーモアを目当てにしても、心理的な深みを求めてしても、あるいはただ途方もなく高価な家具を眺めるためでも、この映画は期待に応えてくれるだろう。カレンダーに印をつけておこう。この映画の後の会話を見逃す手はないのだから。