「ゲイ要素が足りない」: medievalゲーム『1348 Ex Voto』、波乱のローンチ
今週、ゲーマー界隈に少しでも顔を出しているなら、『1348 Ex Voto』を巡る喧騒を耳にしただろう。ペスト禍の中世を舞台にしたこのゲームは、骨太なナラティブ体験を約束していた。ところが蓋を開けてみれば、最近の記憶でも類を見ない奇妙なバッシングの嵐に見舞われ、Steamのレビューはカオスと化している。プレイヤーたちはただ失望しているだけではない。理由があって激怒しているのだ。その理由たるや、思わず二度見してしまうようなものばかりだ。
プレイヤーからの不満は多岐にわたるが、おおよそ以下の核心的な問題に集約される:
- もっさりした戦闘システム: あるプレイヤーは「濡れたタオルで戦っているみたい」と表現している。
- メルボルンの夏よりドライなプロット: 欧州の半数を死に至らしめたパンデミックを舞台にしながら、緊迫感も感動も不思議なくらい希薄だ。
- 最大の驚き:「ゲイ要素が足りない」: 批判のかなりの部分が、多くのプレイヤーが期待していたLGBTQ+要素が十分に盛り込まれていないことに向けられている。
この最後の点こそが、事態を真に奇妙なものにしている。憶測によれば、開発当初はクィアな要素に大きく舵を切っていたらしい。資金調達や税制優遇の要件を満たすためだったのではないかとの噂もある。だが、最終製品は? そんなものは皆無だ。とあるレビュアーは見事に要約している。「中世のゲイを期待していたのに、手に入ったのはこの粗悪なペストだけだ」。別のレビュアーは単に「 bloody なホモセクシュアリティはどこへ行った?」と投稿し、これが最も評価されたコメントの一つになっている。ゲームがあまりに「woke(※社会的意識が高すぎる)」だとしてレビュー爆撃を受ける事例は珍しくないが、今回はその真逆。「wokeすぎない」ことが理由で袋叩きに遭うという、極めて稀なケースだ。この皮肉たっぷりの状況、思わず苦笑いが漏れるというものだ。
批評家筋からの評価も同様に手厳しく、ちぐはぐなゲームプレイと、その舞台設定を完全に活かし切れていない点が指摘されている。大方の見解としては、『1348 Ex Voto』は「全てのプレイヤーを満足させようとして、結果的に誰も満足させられなかった」ゲームの典型例だというものだ。良いゲームの素質は確かにあっただけに、実に惜しい。もっと引き締まった脚本と、洗練された戦闘システムがあれば、カルト的人気作になれたかもしれない。だが現実は、反面教師的な教訓話として語り継がれることになりそうだ。
果たしてゴールデンエディションやリミテッドエディションといった再リリースで、この状況を覆せるだろうか? そうならないとも限らないが、それ以前に開発元には説明すべき重大な問題が山積みだ。今のところ、約束をきちんと果たしてくれる中世ゲームを探しているなら、これは避けた方が無難だ。しかし、一笑いしたい気分で、2026年最大の謎ゲーム論争をこの目で目撃したいというなら、冷たい飲み物片手にSteamレビューを覗いてみるといい。コメント欄はまさに笑いの宝庫だから。