Inicio > エンタメ > Artículo

鈴木もぐら、奇跡の復活と“原付バイク”芸風の現在地。「空気階段」が変わる2026年。

エンタメ ✍️ WWD Japan 編集部 🕒 2026-04-03 10:25 🔥 Vistas: 2
鈴木もぐら インタビュー写真

「僕はエンジンがガタガタの原付バイクなんで。フェラーリに追いつくためには、無理やり何千回転とかして煙吹きながら、ぶっ壊しながらやるしかないんですよ」

これは「空気階段」の鈴木もぐらが、俳優業とお笑いの両立について語った際の名フレーズだ。そして今、この“原付バイク”が文字通り一度大きな“オーバーヒート”を経験し、再びアイドリングを始めている。

人工股関節という決断。もぐらボディの現在地

長年悩まされてきた変形性股関節症。ファンの間では「あの独特の歩き方もそれだったのか」と納得の声も多い。2025年2月末、彼は満を持してメスを入れる決断をした。かつて「ゴッドハンド」なる存在に出会い手術を先延ばしにした過去を持つもぐらだが、その痛みはもはや笑いでごまかせる領域を超えていた。

手術後、順調なリハビリを経て、2026年現在の鈴木もぐらは「復活」の二文字で片付けられない進化を遂げている。以前は「動けない身体性」自体が笑いの源泉だったが、今は「必死に動こうとするも、どこか違う」新たなフェーズに突入したという関係者の声も聞かれる。テレビ番組『ガキの使い』での「七変化」でも、その身体を張ったリアクションは視聴者の度肝を抜いたが、あの“動きのクセ”はむしろ手術後のリハビリ期間を経て研ぎ澄まされたものだという見方が強い。

原付バイクの生存戦略。下積み時代と“肉割れ”哲学

ここで一度、彼のベースにある価値観を振り返ってみたい。かつてのインタビューで、自身の演技の特徴を聞かれたもぐらはこう答えている。

「肉割れじゃないですか。肉割れした俳優って、なかなかいないと思うんですよ。それを金持ちで超モテモテの役と言われたら難しいけど、肉割れしてるおじさんの役でお願いしますと言われたら、よっしゃ!って思いますよね」

決して自分を安く見ているわけではない。自分の“キャパ”を正確に把握し、その狭いレンジの中でいかに全力を出すか。これが鈴木もぐらの美学だ。彼の生い立ちを紐解けば、その戦略は必然だったとも言える。

千葉県旭市の団地育ち。物心ついたときには既に両親は離婚しており、名字は「白鳥」から「鈴木」、さらに養父の「宇井」と変遷した。今では笑い話にされることも多いが、ギャンブル狂で借金中毒という自虐的なキャラクターは、決して作られたものではなく、生存戦略の賜物だ。貧乏で電気もない4畳半のアパートでネズミと同居していた時代、唯一の娯楽はテレビとラジオだった。その経験が、のちの「空気階段」の緻密なコント設計にどう活きているかは、『ウォシュレット』や『クローゼット』といった“何も起こらないのに面白い”ネタを見れば一目瞭然だろう。

「空気階段」の使い方。鈴木もぐらガイド2026

では、2026年の“鈴木もぐら”はどう楽しむべきなのか? 簡単なガイドを提示しよう。

  • 肉体の変化を観察する: 減量と手術を経て、かつて120kgあった体重は現在90kgを切っている。動きが軽くなった分、かえって際立つ「不器用さ」にこそ彼の真骨頂がある。
  • 相方・水川かたまりとの温度差を楽しむ: 「有吉の壁」などで見られる、相方のキレッキレのツッコミに対して、どこかずれたボケを返す間合いは、まさに“原付”と“フェラーリ”の共演だ。
  • ラジオ『踊り場』を聴く: 深夜の電波で繰り広げられる、借金や競馬、そして離婚に至るまでの赤裸々なトークは、テレビでは見られない“もぐら”の生態を知る最適なコンテンツだ。

「鈴木もぐら」というコンテンツの使い方のコツは、決して完成された完璧さを求めないこと。むしろ、ガタガタと音を立てながらも前に進もうとする姿そのものが彼の芸だ。

それでも、明日へ。

かつて「将来の夢は新宿アルタで『いいですね!』をやることでした」と語った少年は、今や映画『しん次元!クレヨンしんちゃん』で声優を務め、連続ドラマにも引っ張りだこだ。だが、インタビューで「今はお笑いに集中したい」と語る姿勢は、売れっ子になっても変わらない。

借金も、離婚も、手術も。すべてをさらけ出し、それでも這い上がる姿に我々は励まされる。2026年、鈴木もぐらという稀有な“原付バイク”は、今日もどこかで煙を吐きながら、笑いを巻き散らかして走り続けている。